
「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない
著者:三宅 香帆、出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン
はじめに~好きなのに語れないあなたへ~
好きなものがあるのに、なぜか「うまく言えない」「伝わらない」と感じることはありませんか?仕事や人間関係で自分の得意や価値観を言葉にできず、不安になる社会人へ—日常の小さな躊躇が決断に影響することもあります。まずは言葉にする小さな一歩を一緒に考えてみませんか?
概要:『好き』を言語化する技術(著:三宅 香帆)
三宅香帆さんの『好き』を言語化する技術は、推しや好きなことを他人の言葉に頼らず自分の言葉で語る方法を教えてくれます。
SNSで溢れる「泣ける」「やばい」といったクリシュ(ありきたりな表現)を避け、自分の感情を核にして言葉を積み上げることが本書の核心です。
妄想力という考え方で、過去の体験と現在の感覚をつなげる練習をすすめ、日常の小さな気づきを蓄積する習慣が持てるようになります。
自分の語りが増えると、仕事での自己PRやチームでの説明も変わります。
あなたも自分だけの言葉を作りたくありませんか?あなたも試してみたくありませんか?
本書のポイント
①クリシュをやめて自分語を作る
フランス語でクリシュとは、ある言葉が色んな場面で乱用され、その言葉の本当の意味が失われた状態。使い古されたありきたりな表現のこと。
SNSの言葉をそのまま使うと、あなたの感じたオリジナルな感情とは違う何かになってしまいます。
例えば映画を見て「泣けた」と書くだけで済ませると、何が心に残ったかが消えてしまいます。
具体的にどの場面でどんな風に感じたかを表現すること。これが好きの言語化の極意です。
②感情を言語化する=よかった理由を細分化する
「なぜ良かったのか」を細かく分けて言葉にします。あるシーンの光の使い方や登場人物の些細な動作が、過去の自分の記憶とつながることがあります。例えば子どもの頃に見た夕焼けを思い出して説明できれば、共感は深まります。あなたの過去の体験と結びつけて自分なりの言葉にすることが必要です。
③妄想力を使ってエピソード化する
妄想力とは想像で過去や未来を結びつける力です。昔見た風景や匂いを思い出して、その感覚を言葉にするだけで文章は深まります。小さな記憶を掘り下げることがはじめの一歩です。
今日からできる三つの習慣
①メモをためる習慣
気になった箇所を見つけたら、その場で「具体的な一行」をメモしましょう。例:「主人公が笑った表情の伏線が好きだった」――この一行が後で言語化の種になります。移動時間のメモで種は増えます。あなたは今日、どんな一行を残しますか?
②自分の好きなことの具体例を書きなぐり、深める
何か文章を読んだ時、いいと思う体験をしたとき、何かの魅力を発信したいとき、何がいいかを具体的に書きなぐってみましょう。その例を眺め、特に気になる言葉や内容について、なぜそう思うのか、どんな風に感じるかを言葉にしてみることが、好きを言語化する始めの一歩です。
③発信前に情報格差を埋める
読者が分からない前提を一つ入れてから話すと伝わりやすくなります。たとえば「この場面は〜が背景にある」と一行添えるだけで共感が生まれます。情報格差を埋めたうえで、伝えたいことを伝える。それも好きの言語化のノウハウです。
補足:あえて言葉にしない時間を作る
しっくりくる言葉がない、、、、
そんな時は、あえて言語化せず「もやもや」を抱えたままにしておくことも大切です。
三宅香帆さんが紹介する「*ネガティブケイパビリティ(不確かさに耐える力)」の考え方は、無理に言葉にせず未完成のまま残す余白の価値を示しています。
ネットにあふれる沢山の言葉。その言葉の中から自分の感情に合う言葉を選ぶ。
そうではなく、自分なりの言葉が見つかるまでメモに残しておき、時間をおいて振り返って再度自分なりの言葉を考えてみる。
大事なのはバランスで、言葉にすることと、あえて言葉にしない時間を両立することです。それ自体がかけがえのない体験になります。
あえて「言葉にしない」ことも選択肢に入れてみてください。
*ネガティブ・ケイパビリティとは?意味や具体例とともに鍛える方法も解説
まとめ:まずは小さな言葉から
「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない(著:三宅 香帆)は、日々の小さな気づきを自分の言葉にする方法を優しく示してくれます。
自分なりの表現を追求し、積み上げ、自分の価値観を見える化してみましょう。