新コーチングが人を活かす(鈴木義幸 著)から学ぶ、キャリアの突破口

「新コーチングが人を活かす」(著 | 鈴木義幸,ディスカヴァー・トゥエンティワン ,2020)
はじめに
「このままでいいのだろうか?」とキャリアについて不安になる瞬間、誰しもあるのではないでしょうか。転職、職場の人間関係、やりたいこと探し…。正解が見えない中で、ただ頑張れと言われても心は軽くなりません。では、どうすれば自分の望むキャリアに近づけるのでしょうか?
結論から言えば、そのヒントは「問いを通じて自分の中に答えを見つける」ことにあります。本記事では、鈴木義幸さんの著書『新コーチングが人を活かす』を参考に、キャリアの悩みを前に進めるための考え方と実践方法を紹介します。
本の概要
本書は、日本にコーチングを広めた第一人者の一人である鈴木義幸さんが書いた、実践的なコーチングの入門書です。
コーチングとは「問いを2人の間に置き、一緒に探索して相手の発見を促すこと」。相手の中にある答えを引き出すプロセスを重視しています。本書では、単なる技法ではなく、日常の挨拶や信頼関係から始まる“人と人との関わり方”としてコーチングを描いています。
特に印象的なのは、「望んでいる状態=現在の状態+行動」であるという考え方。目標は遠くにある理想像ではなく、今の自分の延長線上に描けるものだと説いています。小さな行動を重ねることこそが、大きなキャリアの変化につながるのです。
キャリアに悩む人にとって、本書は「やりたいことが見つからない」や「モチベーションが続かない」というもやもやを整理するための羅針盤になります。あなたは今、どんな問いを自分に投げかけたいですか?
要点整理
コーチングの核心は「問い」
コーチングとは答えを与えるのではなく、問いを通じて相手の中の答えを引き出すことです。
例えば、「今の仕事の中で、少しでもやりがいを感じる瞬間はいつ?」という問いかけ。シンプルですが、自分では気づいていなかった大切な感情に光を当ててくれます。
信頼関係は小さな行動から
著者は「日頃の挨拶が関係をつくる」と言います。コーチングは特別な場面でだけ必要なのではなく、日常の積み重ねが土台。キャリアに悩んだとき、相談できる相手がいるのは普段から関係を築いているからこそです。
ネガティブからポジティブを見つける
「嫌なことを徹底的に語ってもらうと、やりたいことが見えてくる」という指摘は、目から鱗です。例えば「単純作業ばかりでつらい」と気づけば、「創造的な仕事をしたい」という願望が浮かび上がります。嫌なことの裏に、本当に望むものが隠れているのです。
小さな目標が未来をつくる
名選手になる必要はなく、日々小さな目標を達成するモデルになることが大切。資格取得や転職といった大きなゴールも、毎日の小さな積み重ねの先にあります。今日はどんな“小さな一歩”を踏み出せそうでしょうか?
実践のヒント(キャリアコンサルタントの視点から)
1. 「問い」を自分に投げかけてみる
例えばこんな問いをノートに書き出してみましょう。
- 今の仕事の中で一番好きな瞬間は?
- 最近、時間を忘れて没頭したことは?
- 嫌だと感じることの裏に、本当に欲しいものは?
キャリア相談の現場でも、こうした問いはクライアントの表情を変える力があります。あなたの心にも、小さな発見が眠っているはずです。
2. ネガティブを棚卸しする
「嫌なこと」を書き出すのは気が引けるかもしれませんが、むしろそこにヒントがあります。私がキャリア相談で出会った方も、「残業ばかりが嫌」と口にすることで「ワークライフバランスを大切にしたい」という価値観を明確にできました。あなたも、自分の“不満リスト”を作ってみませんか?
3. 小さな行動を決める
「副業を始めたい」「転職したい」など大きな目標は、漠然とすると動き出せません。たとえば「週に1回、求人サイトをのぞく」「副業をしている友人に話を聞く」など、小さな一歩を設定することで実現可能性が高まります。行動のハードルを下げる“枕詞”として「試しに」「一度だけ」などを使うのも有効です。
今日からできそうな「小さな一歩」は何でしょうか?
補足
しかし、コーチングだけがキャリアを前に進める手段ではありません。ときには専門的なスキル習得や、メンターからの具体的な助言が必要になる場面もあります。
また、自分で問いを探るのが難しいと感じるときは、キャリアコンサルタントや信頼できる人に伴走してもらうことも有効です。「問いと答えを一緒に探す」プロセスに安心感が生まれ、行動につながるケースも多くあります。あなたは一人で抱え込みすぎていませんか?
まとめ
『新コーチングが人を活かす』(鈴木義幸 著)は、キャリアに迷ったときに「自分の中の答えを見つける」ための道しるべを与えてくれる一冊です。
大切なのは、遠い未来の理想を追いかけるよりも、今の自分の延長線にある「小さな一歩」を踏み出すこと。あなたのキャリアの可能性は、すでに心の中に眠っています。
今日、あなたが選ぶ一歩はどんな行動でしょうか?