
罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法
(著者:小林 祐児、出版集英社インターナショナル英社インターナショナル)
はじめに
管理職になった途端、「責任ばかり増えて、仕事量も減らない…」そんな声をよく耳にします。やる気があって挑んだはずなのに、気がつけば疲弊し「これは罰ゲームなのでは?」と感じる人も少なくありません。なぜ管理職は罰ゲーム化してしまうのか。そして、どうすれば健全なマネジメントを取り戻せるのか。本記事では小林祐児さんの『罰ゲーム化する管理職』を手がかりに、その答えを探ります。あなた自身の働き方を考えるきっかけになれば幸いです。
本の概要
小林祐児さんの著書『罰ゲーム化する管理職』は、日本企業における管理職のリアルを描き出した一冊です。働き方改革やハラスメント対策など「プラスアルファ」の課題が次々と押し寄せる一方で、業務量は減らず、責任だけが膨れ上がる。この状況が管理職に過剰な負担を強いている、と著者は指摘します。
特徴的なのは、「管理職のスキル不足」だけに問題を押し付けてはいけないという視点です。現場と人事の間にあるマネジメントの“ループ”や、ロケット鉛筆のように押し出されて管理職になってしまう仕組みなど、構造的な問題が背景にあるのです。管理職を取り巻く制度や風土に焦点を当てることで、「なぜ罰ゲーム化が進んでいるのか」を多面的に理解できる内容になっています。読者は「自分だけの問題ではない」という安心感を持ちながら、現実的な解決策を探るヒントを得られるでしょう。あなたも「負担の正体」を見極めたくありませんか?
本書の要点
管理職が抱える過剰な期待
部下マネジメント、業務管理に加え、ハラスメント対応や多様性への配慮まで、管理職は「全部できて当たり前」と見なされがちです。その一方で、共感されにくく孤独になりやすいのが特徴です。こうした「全部自分で解決せねば」という発想が罰ゲーム感を強めています。あなたも心当たりはありませんか?
ロケット鉛筆方式の昇進
自ら望んでいなくても、順番が回ってきたからという理由で管理職になる人も多いのが現実です。準備不足のまま役職につき、気づけば出口が見えない。これが疲弊感を生みます。「なぜ自分がここに?」と感じる瞬間は、決して珍しくありません。
研修の落とし穴
管理職だけを対象にした研修は、現場との温度差を広げがちです。部下の理解や協力がなければ、リーダーシップは機能しません。著者は「フォロワーシップ教育」を提案し、チーム全体で健全な相互作用を築く必要性を説いています。あなたの職場ではどうでしょうか?
自分の物差しを手放す勇気
「こうあるべきだ」という完璧主義を抱えたままでは、部下も自分も苦しくなります。成果ややり方の物差しを少し手放し、部下に余白を与えることで、双方に成長の実感が生まれるのです。完璧を追う自分を手放せるかが、転機のカギになります。
実践のヒント
キャリアコンサルタントとして多くの方と接してきた中で、管理職の疲弊感には「一人で背負いすぎる」傾向が共通しています。そこで、今日から実践できる小さな工夫をいくつか紹介します。
- フォロワーシップ*を意識する
部下にマネジメントの一部を「見える化」して共有しましょう。例えば研修内容を簡単に伝えるだけでも、「一緒に取り組む姿勢」が生まれます。 - 健全なえこひいきをする
全員に平等である必要はありません。信頼できる部下に思い切って仕事を任せることは、育成にもつながります。結果的にあなた自身の負担も減ります。 - 物差しを手放してみる
「自分ならこうする」を一旦横に置き、部下が工夫する余地を残しましょう。失敗も含めた経験が、部下の成長を後押しします。 - 小さな相談先を持つ
同じ立場の管理職や、外部のキャリア相談を活用するのも有効です。「自分だけじゃない」と思えるだけで気持ちが軽くなります。あなたはどれから取り入れてみますか?
補足視点
一方で、「管理職の負担は当然」と考える人もいます。責任ある立場である以上、プレッシャーがあるのは仕方がないという見方です。しかし、著者の指摘は「負担そのものをなくすべき」というよりも「健全な形に調整する必要がある」という点にあります。責任を全て背負うのではなく、チームで分担し、制度で支える。こうした視点が広がらなければ、優秀な人ほど管理職を敬遠する流れは続いてしまうでしょう。あなたはどちらの考えに近いでしょうか?
まとめ
『罰ゲーム化する管理職』(小林祐児)は、管理職を「頑張ればなんとかなる役割」ではなく、仕組みの中で支える必要性を訴えた本です。大切なのは、自分の完璧さを手放し、部下と共に成長していく姿勢。あなた自身のマネジメントに小さな工夫を加えることで、罰ゲーム感は和らぎます。まずは「ひとりで抱え込まない」一歩から始めてみませんか?