ニック・マジューリ(著)児島修(訳)
JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則(ダイヤモンド社,2023年)

はじめに

「このまま働き続けていていいのだろうか」「もっと自由な生き方ができる方法はないのかな」

──多くの社会人が抱えるキャリアの不安。

収入や働き方に悩みつつも、将来の見通しが立たずモヤモヤする。そんな不安にヒントを与えてくれるのが、ニック・マジューリ(Nick Maggiulli)著『JUST KEEP BUYING』(訳:児島 修)です。

本書は「お金」と「時間」の使い方に明快な答えを示してくれます。では、どうすれば私たちは富と安心を積み重ねられるのでしょうか?


本の概要

『JUST KEEP BUYING』は、投資の世界でよく知られる「ドルコスト平均法」を軸に、人生の幸福と資産形成の考え方を解き明かした一冊です。著者のニック・マジューリは、データを用いた投資分析に強みを持ち、シンプルで現実的なアドバイスをしてくれます。

本書のメッセージは「とにかく買い続けろ(JUST KEEP BUYING)」というシンプルな一言。つまり、市場の上下に惑わされず、一定額をコツコツと投資し続けることが最も合理的な方法だということです。

ただし本書が語るのはお金儲けのテクニックだけではありません。「お金はあくまでもより良く生きるための道具に過ぎない」という視点。

健康や人間関係、そして自分の存在価値を大切にしながら、お金との付き合い方を考えることの重要性が強調されています。ここに、キャリアに悩む私たちが学べる大きなヒントがあるのです。

あなたは「今のお金の使い方」で本当に幸せを感じていますか?


要点

限界効用逓減の法則を意識する

ピザの1枚目は最高に美味しい。でも3枚目、4枚目になると感動は薄れていきます。これは「限界効用逓減の法則」と呼ばれる考え方。本書では「お金の使い方」も同じだと語ります。ブランド品をいくつも買うよりも、体験や人との時間に投資する方が幸福度が高まるのです。

(詳しくはこちらのサイトも参考になります。)

投資は人的資本を金融資本に変える行為

私たちの働く力(人的資本)は年齢とともに少しずつ失われていきます。その代わりに必要なのが「金融資本」=働かなくてもお金を生み出す資産。投資とは、今の収入の一部を未来の安心に変換する仕組みだと本書は教えてくれます。

比較から自由になる

「自分はまだお金持ちじゃない」と感じる理由の多くは「比較」。SNSや同僚との生活を比べると、いくら稼いでも満たされないのです。本書では「自分がいかに恵まれているか」を振り返ることが大切だと語られています。

一番大切な資産は「時間」

お金は取り戻せても、時間だけは絶対に戻りません。ウォーレン・バフェットと人生を入れ替えたいか?と問われると、多くの人は「いいえ」と答えるでしょう。なぜなら、彼には莫大な富があっても若さの時間がないからです。

あなたは今、「お金」と「時間」、どちらを大切にできていますか?


実践のヒント

キャリアコンサルタントとして多くの方と向き合ってきましたが、将来に不安を感じる方の多くは「お金」だけでなく「キャリアの方向性」にも迷いを抱えています。

本書『JUST KEEP BUYING』の学びは、投資を通じて金融資産を積み上げることの重要性を説き、その具体的な手段として、「とにかく買い続けろ(JUST KEEP BUYING)」と説いています。

一方で、資産形成とキャリア形成を両輪として考えることで、より安心して未来を描くことができます。

ここでは、そのエッセンスを日々のキャリアに活かすためのポイントを3つご紹介します。

  1. 「時間の使い方」をキャリアの投資と考える
    お金と同じように、時間も有限の資産です。資格の勉強、業務の幅を広げる経験、副業など、将来の選択肢を増やす活動に時間を振り向けてみましょう。今の積み重ねが、未来の「人的資本」を大きく育てます。
  2. 「比較」ではなく「自分軸」でキャリアを選ぶ
    同僚やSNSの情報に振り回されると、「自分はまだ足りない」と焦ってしまいます。ですが、本書が強調するように、幸福感は比較では得られません。キャリアも同じ。大切なのは「自分は何に価値を感じるか」を基準に選ぶことです。
  3. お金は「自由の手段」、キャリアは「自己実現の手段」
    収入は生活を支える手段にすぎません。本当に大切なのは、その先にどんな働き方や生き方をしたいのか。転職、副業、スキルアップ――どの選択も「自由度を高め、自分らしく生きるため」と考えると、行動が前向きになります。

「未来の安心をお金だけに頼るのではなく、キャリアにも投資しているか?」と自分に問いかけてみましょう。その気づきが、将来の不安を和らげ、行動を後押ししてくれます。


補足

本書の一貫した主張は、「人的資本は時間的なものであり、減り続けるものである。故に無くなる前に早く金融資産に変換すべきだ。」というものです。

一方で、「人的資本には技能や知識も含まれる」とあります。これはまさにキャリアの一側面ですね。

人生で一番若い今日。

人的資本を単純に金融資産に置き換えるだけでなく、「時間的な人的資本を、技能や知識としての人的資本へ置き換える。」

それも新たな選択肢ではないでしょうか?


まとめ

ニック・マジューリ著『JUST KEEP BUYING』からの学びは、単なる投資指南ではなく「キャリアを自由に描くための思考法」としても役立ちます。

  • 将来の安心をつくるお金の使い方
  • 今の自分に合ったキャリアの選択
  • 長期的に続けられる仕組みづくり

この3つを意識することで、経済的な安定とキャリアの成長を両立させることができます。

お金はあくまでも道具。最も大切なのは「時間」と「自分の存在価値(自己実現)」です。

今日から少しずつでも未来への投資を始めて、自分らしいキャリアと生き方を築いていきませんか?

カテゴリー: 自己啓発