lead-management

(著者:橋本卓也、「部下をもったらいちばん最初に読む本」人と組織のパフォーマンスを最大限に引き出す仕事術、出版:アチーブメント出版株式会社)

はじめに

「部下がなかなか育たない」「自分のやり方を伝えても成果が出ない」──そんな悩みを抱えるマネージャーは少なくありません。特に新しくリーダーやマネージャーを任されたとき、「自分に務まるのだろうか」と不安になる方も多いでしょう。では、部下を成長させ、組織の成果を最大化するにはどうすればよいのでしょうか?その答えのヒントが、橋本拓也さんの著書『部下をもったらいちばん最初に読む本』にあります。

概要

『部下をもったらいちばん最初に読む本』(橋本拓也 著)は、初めて部下を持つ人に向けて「リードマネジメント」という考え方をわかりやすく解説しています。
本書で繰り返し語られるのは、「マネジメントは管理ではなく、人を介して成果を出す技術」ということ。単に数値目標を追うのではなく、メンバー一人ひとりの成長を通じて組織目標を達成していく姿勢が求められる、と著者は強調します。

特に印象的なのは、「部下はすでに最善を尽くしている」という前提で向き合うこと。欠点や弱点にばかり目を向けるのではなく、部下の持つ欲求や価値観(本書では“上質世界”と表現)を理解し、そこに寄り添うことが大切だと説かれています。
では、その具体的なポイントを整理して見ていきましょう。次の章で紹介します。

要点整理|本から学べるリードマネジメントの核心

1. 「目標達成」ではなく「育成を通じた目標達成」を追う

単にゴールを達成するのではなく、メンバーが成長しながら目標に近づくことを重視します。数値や期限といった「目標」と、その背景にある「目的」を両方大事にする姿勢が求められます。
→「あなたが目指しているのは、ただの結果ですか? それとも人の成長を含んだ成果ですか?」

2. 部下の“上質世界”を理解し、そこに入れてもらう

人は「生存・愛・力・自由・楽しみ」という5つの欲求で動きます。部下の上質世界(価値観や大切にしていること)を理解し、それを尊重することが信頼関係の第一歩です。
→「あなたは部下の価値観に本気で興味を持ち、耳を傾けていますか?」

3. 「優秀な自分の真似」ではなく、相手に合わせた関わりを

「私のようにやればいい」という押しつけは、異なる背景を持つ部下には通用しません。相手のペースや状況に合わせ、アドバイスは求められたときに行うことが重要です。
→「そのアドバイス、本当に今必要とされていますか?」

4. 信頼を積み上げる7+2の習慣

傾聴、支援、励まし、尊敬、信頼、受容、違いの交渉、そして「約束を守る」「陰で批判しない」という習慣。小さな積み重ねが風土をつくります。
→「信頼は、一日の行動の中でどれだけ意識されていますか?」

5. コントロールではなくリードする

「自分が正しい」という思い込みや「相手をコントロールできる」という考えを手放すこと。部下を有能な存在として信じ、任せて任せずのスタンスで導くことがリーダーシップの本質です。
→「あなたは部下を信じて任せられていますか?」

実践のヒント|明日からできるリードマネジメント

ここからはキャリアコンサルタントの立場から、明日から実践できる行動のヒントをお伝えします。

  • 小さな「聞く」から始める
    部下の「最近どう?」という一言から価値観や状況を探ることができます。傾聴はすぐに始められる信頼づくりの一歩です。
  • 成長のプロセスを言葉にする
    「この取り組みを通じて、◯◯さんがどんな力を伸ばせるか楽しみ」と伝えることで、部下は成果以上の意味を感じられます。
  • 期待値を相手のラインに合わせる
    「自分ならできるはず」という基準でイライラするのではなく、部下が置かれている状況を前提に期待を設定すること。結果的に部下も伸び伸び取り組めます。
  • フィードバックは「求められたら」
    アドバイスを急いで与えるのではなく、相手が「教えてほしい」と思ったタイミングで伝えると効果的です。
  • まずは一つ習慣化する
    7+2の習慣を全部やろうとせず、例えば「約束を必ず守る」だけでも始めれば、部下の信頼感は変わります。

以上の実践はいずれも、メンバーの成長・目標・目的達成が組織の目標達成に繋がるというマインドの元成り立ちます。よって、メンバーのエンゲージメント向上につながり、働きやすさ・働き甲斐にもつながるでしょう。

以下の文献では、組織内信頼が従業員の姿勢や成果に与えるポジティブな影響について詳しく語られています。より具体的な効果が気になる方は是非参考にしてみてください。

Impact of Managerial Trustworthy Behavior on Employee Engagement: Mediating Role of Perceived Insider Status

補足視点|“成果重視”とのバランス

もちろん、ビジネスの現場では数字や期限が最重要視されることもあります。「育成を重視しすぎて成果が出なければ意味がない」という意見も正しいでしょう。大切なのは、成果と成長を両輪で捉える姿勢です。リーダー自身も「自分は結果だけを追っていないか?」「部下の成長を置き去りにしていないか?」と問い直すことで、より健全なマネジメントが可能になります。
→「あなたの今のマネジメントは、成果と成長のバランスが取れていますか?」

まとめ

橋本拓也さんの『部下をもったらいちばん最初に読む本』は、「部下の成長を通じて成果を出す」というリードマネジメントの核心を伝えてくれます。マネジメントは“人を介して成果を出す技術”。その視点を持つだけで、部下との関わり方や日々の仕事の意味が変わってくるはずです。
まずは小さな一歩から、明日から試してみませんか?

関連記事

カテゴリー: 自己啓発