
頭を「からっぽ」にするレッスン 10分間瞑想でマインドフルに生きる
著者:アンディ・プディコム、翻訳:満園 真木、出版:辰巳出版 (2020/9/19)
はじめに
「このままでいいのかな?」と考えながら通勤電車に揺られているとき、心は未来や過去に飛んでいませんか。
仕事の不安、将来のキャリア、昨日の失敗…。気づけば“今ここ”に意識を向けることを忘れがちです。
でも実は、キャリアに悩むときこそ「今ここ」に立ち返ることが、迷いを整理する第一歩になります。本記事では、アンディ・プディコム著『頭を「からっぽ」にするレッスン』(満園真木訳)を手がかりに、マインドフルネスの視点から「今ここ」の重要性をお伝えします。あなたの心を少し軽くするヒントを見つけませんか。
本の概要
『頭を「からっぽ」にするレッスン 10分間瞑想でマインドフルに生きる』は、元僧侶で瞑想指導者のアンディ・プディコム氏が、マインドフルネスを日常に取り入れる方法をわかりやすく解説した一冊です。
著者は「マインドフルネス=今ここに気づくこと」と定義し、瞑想を通じて心を観察する重要性を説きます。
本書のユニークな点は、「瞑想は特別なものではなく、誰でも、どこでも取り入れられる習慣だ」という姿勢です。呼吸に集中する、歯磨きの感覚を意識する、食事の味を丁寧に味わうなど、小さな行為に意識を戻すことで心の雑音を整えられると説明しています。
キャリアや人間関係でストレスを感じているとき、多くの人は「答えを探そう」と頭を働かせ続けます。しかし著者は「心をからっぽにする」ことこそが回復と創造の源泉だと語ります。忙しい毎日の中で、あなたは心を休める時間を持てていますか?
要点整理:本から学べるポイント
1. マインドフルネスは「今ここ」に気づくこと
マインドフルネスとは、過去や未来にとらわれず、目の前の体験に注意を向けること。心と体が同じ場所にある時間は意外と少ないものです。例えば、帰宅途中に夕飯のことを考え、目の前の景色に気づかないことはありませんか。
2. 思考を止める必要はない
「頭を空にしよう」と力む必要はありません。著者は「思念が通り過ぎるのをただ観察する」ことをすすめています。考えが湧いても追いかけず、一歩下がって見守る姿勢が心の余白を広げます。
3. 瞑想は特別な修行ではなく、日常の習慣
歯磨きの感覚、食事の味、呼吸のリズム。こうした日常的な動作を丁寧に感じるだけでも立派な瞑想です。大切なのは、続けること。わずか10分でも毎日の積み重ねが心を穏やかにします。
4. 感情は「フィルター」である
怒りや不安が強いとき、世界の見え方は歪んでしまいます。感情を否定するのではなく、「いま自分は不安を感じているな」と気づくだけで、現実との距離が取れます。
5. 幸福の幻想にとらわれない
「常に幸せでなければいけない」という思い込みが、かえって苦しみを生みます。心がからっぽでいられるとき、感情の波に左右されず、穏やかな自分に戻れるのです。
これらの学びは、キャリア相談でよく聞く「焦り」「不安」にも深く通じています。あなたは今、どのポイントが一番心に響きましたか?
マインドフルネスの実践方法|10分でできる瞑想習慣
ここでは、本書で紹介されている「10分瞑想」のエッセンスをもとに、初心者でも取り入れやすい実践手順をまとめました。ポイントは「準備」「導入」「呼吸」「終了」の4ステップに分けて意識することです。
瞑想の準備
- 背筋を自然に伸ばし、リラックスできる姿勢で座る
- 邪魔が入らないように環境を整える(携帯の電源オフなど)
- タイマーを10分に設定する
導入のステップ
- ゆったりと深呼吸を数回繰り返し、目を閉じる
- 足裏や椅子と接している体の感覚を味わう
- 全身をスキャンするように、こわばりやリラックスしている部分を観察する
- いまの気分や感情をそのまま受け止める
呼吸に集中する方法
- 呼吸を一番強く感じられる部位(鼻先・胸・お腹など)に注意を向ける
- 吸う・吐く、それぞれのリズムや深さを確かめる
- 「1」「2」と呼吸ごとに数え、10まで進んだらまた「1」に戻る
- このサイクルを数分間、静かに繰り返す
瞑想を終えるとき
- 最後は集中を手放し、心を自由に感じる時間を数十秒持つ
- 体の感覚(足裏や椅子との接触)に意識を戻す
- ゆっくり目を開け、落ち着いた状態で日常に戻る
カウンセラーとしての「今ここ」
ここまで紹介したマインドフルネスの実践は、日常生活を整えるだけでなく、カウンセリングの現場にも直結します。
カウンセラー自身が「今ここ」に意識を戻せるようになって初めて、目の前のクライアントに本当に向き合うことができます。
たとえば、ゲシュタルト療法*は「今ここ」の体験を重視する技法ですが、カウンセラーが自分の不安や思考にとらわれていては、その瞬間のクライアントの感情や身体感覚を丁寧に受け止めることはできません。逆に、自分自身の心をからっぽにし、落ち着いて“今”を感じられていれば、クライアントの小さな変化にも気づけるのです。
技法に入る前にまず自分自身を整える。この視点が、カウンセリングをより深める基盤となるのではないでしょうか。
*ゲシュタルト療法とは?(ゲシュタルト療法)
まとめ
『頭を「からっぽ」にするレッスン』は、瞑想を通じて「今ここ」に立ち返る力を育む一冊です。キャリアに迷うとき、未来を考えることも大切ですが、答えは“いまの自分”の中にあります。まずは一呼吸置き、心をからっぽにしてみましょう。そこから自然に見えてくるものが、あなたの次の一歩を導いてくれます。